インパク会場 カンボジアから帰って来て、あっという間に1ヶ月が過ぎてしまいました。この間、新聞、雑誌などにカンボジアのことを発表してきたけれど、このサイトには少し肩の力を抜いた写真ルポを書いていこうと思っています。あちこちに話は飛ぶけれど、私が見たまま聞いたままの「ナマ・カンボジア」をお届けします。お楽しみに。

 

タ・プローム遺跡の巨木たち

 巨大タコ怪獣の足だあ!
 実物はもっと迫力がある。この植物の生命力に圧倒される。
 考えてみたら、この植物が生息しているから地球には酸素がある。彼らが二酸化炭素を吸収しせっせと酸素に変えてくれるから、人間は呼吸ができる。そして、この植物を支えているのは太陽と、水だ。水と太陽がふんだんにあるカンボジアでは、植物は人間よりも元気に見えた。カンボジアの民間信仰は木や水の神様を祭る。日本と同じ。大地の恵みによって生きていることに感謝し、自然そのものを信仰するアミニズム。
 大地に地雷を埋めることは、自らの内蔵に地雷を埋めることに等しい。
 地雷をすべて撤去するためには15世紀がかかると言われている。だけど、たとえこの地に人が誰も住まなくなったとしたら、植物が繁茂して、大地を覆うんだろう。そして、根を広げ、土を盛り上げ、そのおう盛な繁殖力によってあっという間に地雷も飲み込んでしまうのかもしれない。「地雷のせいで人間が入らなくなれば、このカンボジアの森は次世代にとっての大切な自然遺産として受け継がれていくかもしれないね」
 そんなことを、カンボジアの森を見ながら語り合ったりした。

 


すごいでしょう? 水は豊かだし、日差しは強いし、木はすくすくと育ちすぎて今ではこんなです。遺跡が押しつぶされる日も近い。遺跡の中は場所によっては危険すぎて立入禁止。(でも日本ならとっくにこの建物全体が立入禁止かも。いつ崩れてもおかしくない状態) 2001/06/15(Fri)22:44:51

これまでのルポ
カンボジアは水の都だった
わからなくても真面目に
共産圏の地雷
地雷を踏むような気がしてしょうがない
リサイクルはさせない
マラリアになったらタイに行け
地雷原の小学校
ここがポル・ポトの墓だ

アンコール・ワットは水の都
タ・プローム遺跡の巨木たち
一人できる!の実践者

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文:田口ランディ


Copyright(C)2001 KOBE GENKIMURA
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