インパク会場 カンボジアから帰って来て、あっという間に1ヶ月が過ぎてしまいました。この間、新聞、雑誌などにカンボジアのことを発表してきたけれど、このサイトには少し肩の力を抜いた写真ルポを書いていこうと思っています。あちこちに話は飛ぶけれど、私が見たまま聞いたままの「ナマ・カンボジア」をお届けします。お楽しみに。

 

「カンボジアは水の都だった」

 ホーチミンシティからシェムリアップへ。
 初めて見るカンボジアの大地は水びたしだった。
「なんだかカンボジアって、びしょ濡れだね。どこもかしこも濡れているね」
 窓に下に広がるエメラルドの森も、赤い土も、ぜんぶ水びだし。カンボジアはまだ雨期が始まったばかりだというのに……。

「カンボジアって、水の都なんだね」
 それが私のカンボジアの第一印象だった。水の国、カンボジア。
 大地を覆う水のヴェールは、空を映して青く美しかった。
「実はアンコール・ワットも治水目的を含んだ水の王宮なんですよ」
 と、筑摩書房の鶴見さんが教えてくれる。さすがに編集者、ちゃんと予習している。
 なんでも、アンコール・ワットには水の神「ナーガ」が祀られているのだという。ナーガは祀神の一つで、水はすべての命の源とされているらしい。
 遠く、メコン河が見えた。
 雨とメコンの水と、赤い土がたくさんの作物を育んできたのだろう。豊かな土地なのだ。
 お米もいっぱい収穫できたのだろう。この国は完全自給できる。
 自給率30%の日本とはえらい違いだ。
 だけど、いま、この大地には地雷がたくさん埋まっている。だから、多くの土地が農地として使えないと聞いた。
 地雷が埋まってるのかなあ。それは空からはわからない。
 夕日を浴びて、カンボジアの大地は神様の祝福を受けているみたいに、すごくきれいで、輝いていた。

 

 


シェムリアップの空港に
降り立ったところ。
やる気満々!

これまでのルポ
カンボジアは水の都だった
わからなくても真面目に
共産圏の地雷
地雷を踏むような気がしてしょうがない
リサイクルはさせない
マラリアになったらタイに行け
地雷原の小学校
ここがポル・ポトの墓だ

アンコール・ワットは水の都
タ・プローム遺跡の巨木たち
一人できる!の実践者

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文:田口ランディ


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